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【コラム】外国人を雇用した場合の課税関係について その1

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近年、大企業のみならず中小企業においても外国人の雇用について関心が高まっています。

この背景として、コスト削減や少子高齢化に伴う人口減少等がありますが、一方で、優秀な人材を広く海外から確保することで国際競争力を高めたい企業が増えていることも挙げられます。

このコラムでは、外国人を採用した場合の課税関係と外国から受け入れた研修生(技能実習生)、当協会が支援しているインターンシップ留学生の租税条約上の取扱いについて解説します。

居住者と非居住者

企業が外国人労働者に対して給与を支払う場合、通常源泉徴収を行う必要があります。この場合、徴収方法は当該外国人の居住形態が「居住者」か「非居住者」かの相違によって区分されています。

「居住者」とは、①国内に住所を有する者、または②国内に現在まで引き続き 1 年以上居所を有する個人をいいます。

「住所」とは「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」とは「客観的な事実によって判定する」とされています。
また「居所」は「その人の生活の本拠ではないが、その人が現実に居住している場所」とされています。

この「居住者」「非居住者」の判定に際しては、国籍やビザの種類、住民票の登録の有無などは基本的に無関係です。とはいえ、単身赴任の場合など判断が難しい場合もあることから、外国人労働者が日本で働くために入国した場合、滞在期間が1 年未満であることが労働契約等によりあらかじめ明らかな場合を除き、日本国内において継続して 1 年以上居住することを通常必要とする職業を有しているならば、入国後ただちに「居住者」との推定を受けることとされています。

また、「居住者」はさらに「非永住者」と「非永住者以外の居住者」に区分されます。「非永住者」とは日本国籍を有しておらず、かつ、過去 10 年間に日本国内にて住所又は居所を有していた期間の合計が 5 年以下の個人をいい、他方、「非永住者以外の居住者」とは、日本国内に住所を有しているか、又は現在まで引き続き 1年以上居所を有する個人のうち、非永住者以外の者をいいます。

「非居住者」とは「居住者」以外の個人をいい、各区分に応じて、次の表のように課税範囲が異なります。

区分 定義 国内源泉所得 国外源泉所得
居住者 非永住者以外
の居住者
国内に住所を有し又は現在まで引き続いて 1 年以上居所を有する個人のうち、非永住者以外の者 課税 課税
非永住者 居住者のうち日本国籍を有しておらず、過去 10 年以内に日本国内に住所又は居所を有していた期間の合計が 5 年以下の者 課税 国内で支払われたもの及び国内に送金されたもののみ課税
非居住者 居住者以外の個人 課税 不課税

所得税と住民税

まず所得税について、居住者の場合には、最初の給与の支払い日までに会社は外国人労働者から「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出を受け、給与等を支払うごとに、扶養する親族等の人数に応じて「給与所得の源泉徴収税額表」の甲欄によって税額を算出して源泉徴収を行います。

そしてその年の最後の給与等の支払いを行う際に、「年末調整」によって当該外国人が納付する所得税の精算を行うこととなります。

つまり、居住者であれば、一般の社員やアルバイト労働者と同様に給与から源泉徴収税額を差し引けばよいわけです。なお、外国人労働者の中には本国の家族を養っている場合もあります。その際には、扶養控除等申告書にその旨を記載し、実際に本国に生活費等を仕送りしている事実を示す送金証明などを本人から提出してもらい、会社側で保管しておく必要があります。しかし、送金手数料等の節約のため、帰国する度に現金で持ち帰っているケースもあり、会社側としては扶養の事実を示す送金証明書を確認するなど、プライバシーを侵さない範囲で明らかにしなければなりません。

また、会社が非居住者に給与を支払う場合、原則として、給与に対して税率 20%の源泉分離課税の方法によって納税を行います。

次に住民税については、外国人労働者が1 月1日時点で居住者として日本にて居住している場合に納税義務者となり、前年の所得税の課税状況を参考に、4月以降に各市町村で決定した後、当該外国人労働者に通知されます。

続きは
【コラム】外国人を雇用した場合の課税関係について その2

一般社団法人日本インターンシップ支援協会とは

当協会では、労働法や税金関係などの法律を遵守し、将来のある海外の学生たち(中国・韓国・台湾・タイ・ベトナム・モンゴルなど)を支援しています。

また日本につきましては、昨今の人材不足に悩まれる企業に向けて、将来の人材確保に繋がるようにお役にたてればと、活動しています。

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